オンラインギャンブルの市場規模

2015年以来、世界のオンラインギャンブル産業は年平均成長率(CAGR)で9.9%成長しており、2019年には589億6,000万ドルに達しました。同市場は2019年の589億6,000万ドルから年間12.0%のペースで成長し、2023年には928億6,000万ドルに上ると予測されています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行とそれに伴うロックダウン政策の実施により、この成長に拍車が掛かり、ギャンブラーはオンラインギャンブルをより多く、利用するようになりました。

さらに市場は、2023年の928億6,000万ドルからCAGR10.4%で成長し、2025年には1,131億2,000万ドルに上ると予測されています。CAGR10.4%で成長を続けた場合、2030年には1,857億4,000万ドルに上る計算になります。

インターネットアクセスの改善を伴うスマートフォン利用や可処分所得の増加、エクスペリエンス・エコノミーの拡大といった要素が、この歴史的成長の要因となっています。しかし厳格な規制やプライバシーへの懸念の高まりが、この成長を妨げる要因となっているのも確かです。

今後継続する、COVID-19の流行によるユーザーの増加、技術的に強化されたプラットフォーム、消費者のゲーム活動の変化、ギャンブル関連立法が業界の原動力になると予測されています。

その一方で、世界的な景気後退、厳しいギャンブル法案、ギャンブル依存症対策にあたっての規制、人口動態の変化など、様々な重要課題がオンラインゲーミングビジネスの将来的な成長を阻害する可能性もあります。

COVID-19のパンデミックでゲーマーの数が増加

パンデミックのロックダウン期間中、世界的にオンラインゲーミングサイトのユーザー数が増加しました。COVID-19の流行によるソーシャルディスタンスによる制限、実店舗カジノの営業停止により、オンラインゲーミングサービスはユーザーベースを拡大しました。

ロックダウンで人々は自宅にいることを余儀なくされ、インターネットへのアクセスが増加しました。訪問者数が増える中で、毎日何千人という新規ユーザーがギャンブルサイトへの登録を行っています。

これをチャンスと捉え、インターネットギャンブルに関する規制を変更する国も出てきています。たとえばベラルーシはインターネットカジノを許可し、アルメニアは現在の既存の規制を修正しています。

より多くのプレイヤーを獲得するため、オンラインギャンブルサイトはトーナメントの数やインセンティブを増やすといった形でマーケティングやプロモーションを強化してきています。既存のユーザーのロイヤルティに応え、新規ユーザーを引き込むために、BetMGM、Borgata Online、Hard Rock、Golden Nuggetなど多くのサイトが登録時ボーナスやリロードボーナス、ロイヤルティプログラム、フリースピンといった特典を強化しています。

世界的な景気後退

COVID-19の流行に伴う世界的な景気後退により、オンラインゲーミングビジネスの成長が減速すると予測されています。世界各国の政府がロックダウンを実行し、多くの企業が一時的に営業を停止したことで大きな経済損失が生じました。新型コロナウイルスの流行で、今後世界経済は、景気後退に入ると予測されています。

裁量所得が減少すると予測されるため、オンラインギャンブルなどの非必需品への支出が減る可能性は高いでしょう。 

マーケティング活動の一環として、リーチを広げて新規顧客を獲得するために、スポーツチームのスポンサーになるオンラインギャンブルサイトが増えています。